嗅覚障害とは?

においがわからなくなったり、変なにおいを感じるといった症状を嗅覚障害といいます。嗅覚障害には、気導性、嗅神経性、中枢性に分類されます。気導性嗅覚障害とは、鼻から入った空気が嗅細胞に届かず、においを判別できないタイプです。主な疾患としてはポリープを伴う慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎が挙げられます。嗅神経性嗅覚障害は、においを判別する嗅細胞の機能が低下している状態です。原因としては、外傷により嗅神経が断裂してしまったり、薬剤やウイルスが原因で嗅神経が障害されてしまうことが考えられます。

中枢性嗅覚障害には、アルツハイマー病のように神経の病気によって生じる場合もありますが、頭部外傷によるものが最も多いです。

嗅覚障害

この中でも身近に起こりやすいのは感冒に伴う嗅覚障害です。感冒罹患時に嗅覚の低下を自覚することはありますが、ほとんどの場合は感冒が治ると嗅覚障害も治ることが多いです。しかし風邪がよくなっても嗅覚だけが戻らないことがあります。これを感冒後嗅覚障害といいます。原因としては嗅神経がウイルスや細菌のダメージを受けてしまっているためではないかと考えられています。中高年の女性に発症しやすいことがわかっています。以前は回復困難が多いと言われていましたが、今はかなりの症例で改善を認めるとの報告もあります。

嗅覚は人生を豊かにするだけでなく、危険を察知するという重要な役割をもっています。少しでもにおいがおかしいなと思ったら耳鼻咽喉科で診察を受けることをお勧めします。
以下のサイトから閲覧することができます。

嗅覚障害診療ガイドライン