味覚障害とは?

味覚(みかく)の分布や神経支配について

味質は、口の味蕾(みらい)という味細胞で感じています。味細胞は5つの基本味を感じています。甘味・苦味・旨味・塩味・酸味です。ちなみに辛味は、味ではなく、痛覚として識別しています。
味覚を司る神経としては、主に顔面神経と舌咽神経、迷走神経があります。

味覚障害は様々な原因によって生じます。その原因について見ていきましょう。

味覚障害

亜鉛欠乏性味覚障害とは?

亜鉛が欠乏することで味覚障害が生じることは、耳鼻咽喉科の中ではよく知られています。しかし、実際には血中の亜鉛の値は正常範囲であっても、潜在的な亜鉛欠乏の患者様が多くいることもわかっています。そのため採血だけでは、判断できないので亜鉛を投与して症状が改善するかを確認していきます(治療的診断といいます)。亜鉛の数値が異常に高値でなければ、亜鉛投与を行ってみることがよいともいわれています。

末梢神経障害味覚障害とは?

上記の神経が障害されることにより味覚障害が生じることがあります。

薬剤性味覚障害とは?

原因となりうる薬剤は数百種類以上にのぼります。特に高齢者では症状が出やすいともいわれています。

心因性味覚障害とは?

うつ病や神経症などの心因的な原因でも味覚障害をきたすことがあります。味覚低下以外に異味症や舌痛症などの症状を訴えることがあります。

その他の症状について

風邪や副鼻腔炎を起こして嗅覚に異常があるために実際には味覚が低下していないにもかかわらず味覚が低下しているように感じることがあります。これを風味障害とといいます。
その他には口腔内乾燥症や舌炎などがあります。