補聴器外来とは?

市川ピースクリニックには、次のような訴えを仰る患者様がいらっしゃいます。
「最近耳の聞こえが悪くなってきたけど歳のせいだろうから諦めている」
「補聴器試したことはあるけど自分には合わなかった」
「あまり人と話さないから困ってないです」

確かに難聴というのは改善が難しい症状であるのは事実です。しかし、補聴器を使うことで聴力を補うことができます。ではなぜ補聴器は眼鏡のように簡単に使うことができないのでしょうか。眼鏡はかけた瞬間に見えるようになりますよね。しかし補聴器は、装着してもすぐに昔のように聞こえるようになるわけではないのです。今まで音の少ない世界に慣れていた脳を少しずつまた音の多い世界に慣れさせる必要があるのです。これは簡単なようで難しいのです。補聴器の装用は医師や補聴器販売者の協力はもちろんのことながら患者様やご家族の協力が必要なのです。

まずは補聴器を頑張って自分のものにするんだという覚悟を持たなければなりません。そして半年程度頑張ることで眼鏡のようになくてはならない医療機器となるのです。
では少し簡単に補聴器について見ていきましょう。

補聴器の種類

主に3種類あります。

1.箱形:6万円前後

メリット:性能がよく、使いやすい。
デメリット:大きく、イヤホン部分と本体の距離が遠く収納場所を考える必要がある。

2.耳かけ型:10万円〜20万円前後

メリット:現在主に使われることが多い。機能も多種多様に選べる。
デメリット:見た目で補聴器をしていることがわかる。

3.耳穴型:20万円~25万円前後

メリット:小型で外からわかりづらい。
デメリット:小さいため操作がしづらい。得られる音の大きさに限界がある。

補聴器購入における助成制度

①障害者総合支援法

難聴が高度の場合には、身体障害者の認定を受けることができます。難聴の度合いにより、補聴器購入時にお住まいの自治体が一部費用を負担してもらえることがあります。
ただし、以下の要件には注意が必要です。

  • 補聴器の種類によっては支給される費用の上限がある。
  • 本人またはご家族の納税金額によっては支給の対象にならない場合がある。
  • 自治体によっては補助の内容や条件が異なることがありますのでお住まいの福祉窓口に確認が必要。

※市川ピースクリニックでは、認定補聴器技能者に月1回来てもらい、補聴器の相談が受けられるようにしております。法律や制度について気になることがありましたら遠慮なくご相談いただけます(予約制)。

②補聴器購入の医療費控除

高齢化が進む日本にとって補聴器はとても重要な位置づけだと考えられています。難聴と認知症の関連があることがわかっています。しかし補聴器は高額な医療機器であるため購入に踏み切れない人も多くいらっしゃいます。そのため2018年度より財務省と厚生労働省の元、“補聴器適合に関する診療情報提供書2018“を活用することにより、医療費控除をうけることができるようになりました。ここで重要な点は補聴器相談医という日本耳鼻咽喉科学会の認める資格を持つ医師が適切に補聴器を患者様に提案した場合に限って医療費控除を認めるということです。補聴器が医療機器として、専門の医師によるフォローが認められたということであり、補聴器相談にとしては大変嬉しく思っています。詳しくは、“よくある質問”のQ6.耳鳴りや耳の聞こえが悪いのですが…Q7.補聴器は電気屋さんで購入する?をご参照ください。

補聴器相談医

日本耳鼻咽喉科学会が認定する補聴器のスペシャリストです。千葉県に所属する補聴器相談医一覧は以下をご参照ください。
http://www.jibika.or.jp/members/nintei/hochouki/meibo_pdf/12_chiba.pdf
以下の流れを見ていただきたいと思います。

耳の病気の有無を判断
→難聴の種類を診断
ここまでは一般的な耳鼻咽喉科が行う内容です。補聴器相談医の場合には以下の流れを行うことができます。
→補聴器の必要性を提案
→補聴器販売店と連携をして補聴器を決定
→補聴器購入後の調整を認定補聴器技能者と行う
→定期的に聴力経過を確認し、補聴器の変更もしくは再調整を行う

このように補聴器とは購入してしまえば終わりというものではありません。そのため、定期的な調整やメンテナンスが必要になります。市川ピースクリニック副院長は補聴器相談医です。耳のことで気になることがあればお気軽にご相談ください。

認定補聴器技能者

認定補聴器技能者とは、補聴器の販売や調整などに携わる人に対し、財団法人テクノエイド協会が、厳しい条件のもと、基準以上の知識や技能を持つことを認定して付与する資格です。特定非営利活動法人日本補聴器技能者協会では、資格者の資質向上や、資格の取得を幅広くサポートしています。とされています。

市川ピースクリニックでは、患者様にお店に行かずに当院の中で完結されるために認定補聴器技能者に来てもらうことにしました。お店では、密な連携が取れない、医師の目が届かないため販売目的になっていないかをチェックできないというデメリットがあります。そのため予約制ですが市川ピースクリニック内で患者様にとっての一番を提案できるようにしたいと考えております。

 

当院で補聴器を相談するメリット

・扱っている補聴器の種類は8つの会社の商品を扱っており、ご自身にあった補聴器を選ぶことができる

・フィッティング(貸出)は何回でも無料。納得いくまで借りて使ってみてください

・使用場面に合わせた補聴器の提案

(例:タクシーの運転手で左後ろから話しかけられる言葉を漏れなく聞き取りたい。一人暮らしで煙感知器や警報音が聞こえるようにしたい。双方では当然補聴器の選び方も調整の仕方も違います。)

・必要な人には医療費控除の書類を発行できる

 

何か気になることがあればいつでもご相談ください。