アレルギー予防:泡で体を洗いましょう!!
☆乳幼児の湿疹は心配の種
小児科や皮膚科には皮膚の湿疹やかゆみ、乾燥などで受診されるお子さんが多く、特に乳幼児に多い傾向があります。湿疹といってもさまざまで、アトピー性皮膚炎を心配する親御さんが多いのです。
アトピー性皮膚炎や食物アレルギーへの心配が高じて極端な食事制限になってしまう可能性があり、アレルギーを心配される家族への説明は十分な配慮が必要です。
☆二重抗原曝露仮説
2007年に英国の研究者が発表した論文があり、アレルギーの考えが大きく変わりました。
「皮膚に炎症がありバリア異常があると、食物抗原が皮膚から侵入しやすくなり、アレルギーの原因になる。正しい量を正しい時期に経口摂取する食物はアレルギー反応をおさえる免疫寛容を誘導する」という「二重抗原曝露仮説」を示しました。つまり、食べないよりも食べたほうがアレルギーの予防になる、とのことです。それまでは、疑わしい食物は食べさせないという考えだったので、まさに180度考えが変わったのです。
以上から、普段からのお子さんの皮膚のスキンケアがアレルギー予防に大切である、と理解できます。
☆泡で体を洗う
独立行政法人環境再生保全機構が2014年に出した「すこやかライフ」に乳幼児の体の洗い方を掲載します。ポイントは「泡を手に取って洗う、タオルを使わない」、ことですね。
よく、赤ちゃんが首の周囲や肘や膝の関節部が赤くなって来院することが多いのですが、こういう部位は皮膚が接触しやすい部位なので、洗いにくい部位でもあるので、泡で洗うことが大事ですね。
☆軟膏やローションの塗り方
スキンケアにはまず保湿剤(ワセリンやへパリン類似物質など)で皮膚の乾燥を防ぎ、バリアを形成することです。保湿剤以外のステロイド軟膏なども含めた塗り方を紹介します。以下の記載では軟膏5gあたり大人の手のひら二つ分の面積を塗る、のが基本です(FTUといいます)。チューブの大きさによって、口のサイズが違うので、図を参考にしてください。
チューブ以外の軟膏壺に入っていたり、ローションの場合は下図を参考にしてください。一緒に体の部位による塗布量の目安も記載しましたので、これも参考にしてください。
以上、乳幼児のスキンケア、泡での洗い方、軟膏などの塗り方をまとめてみました。参考にしていただければ幸いです。
月島ピースクリニック 松田